タイトル通り、今回は海外旅行中に1番大切なパスポートを紛失したらどうすれば良いのかを紹介します。滅多にないことではあるのですが、万が一そうなった時、どうすれば良いかパニックになります。ぜひ、海外旅行好きの方は他人事と思わず手続きの流れだけでも頭に入れておくと安心だと思います。
なぜそんなことを言うのか?私自身が経験者だからです!!
パスポート紛失者の中でもトップレベルの困難を経験したので、旅行に関しては入念に準備するようになりました。
パスポートがない!帰国できる?
可能です。「帰国のための渡航書発行」or「パスポートの再発行」が必要です。
えっ?帰国できるのかー。じゃ、そんなに心配いらないね
いやいや、待って下さい!その為にはいくつか条件が揃っていないと大変なのです!!!
まずは、一般的にどうすればいいのかを説明します。
こちらは一般的な手続き方法です。
パスポート紛失時の流れ
①警察署へ行き、ポリスレポートをもらう(紛失届を出す)
②海外旅行保険加入の場合は保険会社に連絡
③最寄りの在外公館(大使館・総領事館)を探す
④フライトの変更やキャンセルの手配、ホテルの延泊など
⑤必要書類を集める(日本にいる親族に依頼して戸籍謄本or本籍地のわかる住民票をメールやFAXで送ってもらう)
⑥申請書用の写真撮影(パスポート写真)
では、ひとつづつ解説していきます。
①現地の警察署へ行き、ポリスレポート(パスポートの紛失or盗難届)を出す
滞在ホテルや紛失した場所の最寄りの警察署に速やかに紛失or盗難の届出をします。これは帰国後の保険の請求時にも必要になる可能性があるので、しっかりと状況を説明して発行してもらいましょう。私が体験した時はその場で1時間ほどで発行が可能でした。発行までの時間は場所によっても異なります。当然ですが英語のみの対応となりますので私は予め伝えるべきこと(紛失・盗難時の状況説明)をメモして訪問しました。
②加入している海外旅行保険に連絡する
これは、盗難なのか紛失なのかでも状況は変わると思いますが、盗難にあった場合は保険の対象となる可能性がありますので相談することをお勧めします。
③旅行先から1番最寄りの在外公館(日本大使館・総領事館)を探す
これが1番重要な問題なのです!滞在先の近くに大使館があるとは限らないので注意が必要です!!私はそれまで旅先の領事館の場所など気にしたことは一度もありませんでした。ラスベガスに旅行に行き、ラスベガスには大使館がないことを知り愕然としました。なぜなら1番近くの大使館がサンフランシスコかロサンゼルスで、電車やタクシーで移動できる距離ではなかったからです。大使館の営業時間も限られておりますので、休日などは当然手続きはできません。場合によっては延泊が必要なのです。
できれば渡航前に最寄りの大使館を調べておくと安心ですよ。
※大使館が休日でも緊急連絡先がある場合もあるので、諦めないで調べてみて下さい!
④フライトのキャンセルや延泊などの手配
大使館も場所が確認できれば、残りの滞在と移動距離などを考慮して、既に確保している帰国のフライトで間に合うのかを確認しましょう。フライトのキャンセルもしくは変更ができるかなど、航空会社に問い合わせましょう!
延泊が必要な場合はホテルの手配なども必須です。この時、全ての領収書は保管しておきましょう。海外旅行保険によっては盗難の被害による補償などもある可能性があります。領事館での手続きの日数も考慮してフライトの予約をしましょう!
⑤パスポート用の写真をとる
私がパスポートを紛失した時は、ドラックストに写真の機械がありました。日本同様に数分で撮影&印刷が完了してとても便利でした。サイズは縦4.5cm X 横3.5cmとなります。
⑥必要書類を集める
大使館でできることは2つ。1つはパスポートの再発行です。もう一度自身のパスポートを作り直すことができます。ただし日数もかかるので時間の余裕がない旅行者には不向きです。旅行者には帰国のための一時渡航書という物を発行してもらいましょう。こちらは金額も¥2,000〜¥3,000ほどで1,2日で発行が可能。ただし、これは仮パスポートのようなもので、あくまで今回の帰国の為の専用パスポートとなります。発行から1週間ほどの有効期限のものですので、日本に到着したら無効となります。帰国後、今後の為に改めてパスポートは作り直す必要があります(今後、渡航の予定がない人は無用)
一時帰国に必要なもの
●渡航書発給申請書 1通 大使館でもらい記入します
●発行してから6ヶ月以内の戸籍謄本または抄本の原本 1通 (本籍地の記載の住民票、運転免許証、保険証、学生証などでOKの場合もあるようです)
●③で用意した帰国のフライトが確認できるもの(帰国日時がわかるもの)
●④で用意したパスポート写真(縦45mm×横35mm)
私の体験談
私はかれこれ10年以上前、20代の時にラスベガスで鞄の盗難に遭いました。
本来ならば、スリに気をつけてパスポートを持ち歩くこともないのですが、その時の旅行は出発前から不穏な空気が漂っていました。旅立ちの前日まで仕事をしており、帰宅すると38度の高熱。翌朝には解熱したもののパッキングも大急ぎで詰め込み、ドタバタの出発でした。
旅行先(ラスベガス)に到着後もまだ体調が万全ではなく、しばらくボーとしておりました。いつもならそこで大切なパスポート類やフライトチケットは金庫に入れたり、財布も日本で使っていたものは金庫に入れて必要最低限のクレジットとお金を旅行用の財布に入れ替えております。ですがこの時は本当に頭が真っ白で、日本から飛び立ったその時の手荷物の状態で外出してしまったのです。つまり、鞄に日本の免許証やクレジット入りの財布・財布・帰国用のフライトチケット控え・パスポートと全てが入っておりました。なんと恐ろしい!!!!本当にそんな時に限って最悪の事態に巻き込まれるのです。
とあるお店で買い物をする際、鞄から財布を取り出そうとするとないのです!財布ではなく、鞄そのものが見つかりません。
普通、鞄がなくなるなんてあり得ないですよね。でもその時は本当に気づかなかったのです。唯一手元に残ったのはポケットに入っていたスマホのみ。血の気が引くという経験はこうゆうことかと納得するほど、寒気がしました。
一緒に旅行に来ていた友人も必死に探してくれましたが見つかる訳もなく、どうするか考えるしかありませんでした。その時にスマホがあったの唯一の救いで、パスポートが紛失した時の手続きについて必死に調べました。
でもここから更なる悲劇が待っていました。
なんとラスベガスには大使館がないのです!!さらに、その時の旅行というのが年末年始にまたぐ旅行でして、大使館はちょうど翌日からホリデーへ突入。年明けの営業は私の帰国予定日より2日後という事実を知るのです。
さらには、私はパスポート以外の身分を証明できるものも全て無くしていたので、戸籍謄本は必須。日本にいる家族に事情を説明して、戸籍謄本を取りに行ってもらうも、電話をしたのが日本時間の12/28午後2時。翌日から日本の区役所は年末年始休暇に入る直前でした。区役所の営業終了の17時まで残り3時間!家族に無理を言いそのまま区役所に車で走ってもらいました。この時のことは本当に家族に感謝しています。
次に困ったのはどこで延泊するのかと大使館(ロスorサンフランシスコ)への移動手段です。ラスベガスは年末年始でどこもホテルは空いていないし、価格もホリデー価格。ロスかサンフランシスコへの移動は必須でした。
当時まだ始まったばかりのFacebookで誰かロサンゼルスorサンフランシスコ在住者で日本に帰国していない人はいないかを問いかけました。数人ロスとサンフランシスコに在住の人に声をかけたのですが、年末年始は帰国しているんですよね。途方にくれていた時、友人の妹がロサンゼルスに住んでおり日本にも帰国していないという情報をGET!!!!無理承知でお願いし、5日も泊めていただけることになりました。快く承諾してくれた上に空港まで車で迎えに行くよと言ってくれました。会ったこともない初めましての私を嫌な顔せずに受け入れてくれたことは、私の一生で命の恩人と言っても過言ではありません
宿泊先が決まれば次は移動手段です!
私は帰国の便をロサンゼルス乗り換えの成田行きで確保していたこともあり、ダメもとで本来の帰国予定日にロスまで搭乗させて欲しいと交渉しました。電話で問い合わせた時にはチケットがないので対応が難しいと言われたのですが、予約時のメールが残っていたのでそれを当日窓口で見せて交渉することにしました。
当時、(2010年)スマホが普及し始めたばかりで、今ほどwifi環境もスムーズではありませんでした。ネットでサクサク調べて提示することも難しく、紙の証明もなく、結局別室で全身チェックを受けさせられましたが、粘りに粘った結果、何とかロスまでなら搭乗OKの許可をもらいました。(JALで予約していたのも良かった気がしています)
そんな数々の奇跡に助けられロスに到着すると、大使館が開くまでの2日間で証明写真を取得、また帰国用のチケットを取得する必要がありました。年始のチケットは恐ろしく高騰しており、私が事前にとっていた往復チケット代より倍の値段でしたが、仕事もスタートするので帰る以外の選択肢はありませんでした。
その後、帰国してから私はカードの海外旅行保険に連絡するも、私のカードでは保険適用外という宣告を受けショックを受けます。でもこの時の経験があり、海外旅行保険という存在がどれだけ大切かを知ることができました。また、クレジットカードについている保険の使い方も事前に知っておく必要があることを痛感したのです。
私がトラブルに遭遇して得た心得
トラブルから得た心得
●万が一を考える!
今やスマホに全ての情報が入っている時代です。でも私は最悪の場合を想定して紙でも諸々のチケットなどを持参するようにしています。
飛行機のEチケットや大事な身内の電話番号、パスポートのコピーなどを紙で持参しています。これは携帯を紛失したりwifiが繋がらなくなるトラブルがあっても対応できることを考えてのことです。
●大切なものを入れる場所を決めておく
絶対になくしてはいけないものは身体の一部として持ち歩く。ホテルの金庫はホテルのランクで使うかどうか決めています。
●旅行保険を確認する
医療費は絶対なのですが、スーツケースの紛失や飛行機遅延など様々なトラブルを想定して、少しでも補償があるものを選ぶべきです!
●日本大使館の場所を確認しておく
盗難だけでなく非常事態に遭遇した時の為に場所と連絡先はチェックしておくと良いと思います。
最後に
万が一ばかりを考えていると旅行が楽しめません。散々なトラブルでしたが、散々だっただけに途中から楽しむ思考にシフトしました。
せっかくなのでロサンゼルスを満喫したことで、本来のラスベガスのみの旅行よりも何倍も充実した旅となりました。トラブル時に出会った人とのご縁も未だに私の大切な財産です。
トラブルはないのが1番ですが、もし遭遇した時はそのことを経験として楽しみ、どうか楽しい旅行になりますように!
Bon Voyage!